離婚の種類は4つ。約9割は協議離婚
日本の離婚には、大きく分けて4つの種類があります。協議離婚・調停離婚・審判離婚・裁判離婚です。
このうち、圧倒的に多いのが協議離婚です。厚生労働省の統計でも、離婚全体のおよそ9割を占めるとされています。夫婦が話し合い、合意して離婚届を出す。これが基本の形です。
残りの3つのうち、協議で決まらないときに進むのが調停離婚。それでも折り合わなければ、審判離婚や裁判離婚へと段階が上がります。いきなり裁判はできません。まず調停を経るのが原則です。これを調停前置主義と呼びます。
離婚の種類ごとに、必要な手続きも書類も変わります。どのルートを通るかで、かかる時間も労力も大きく違ってきます。まずは全体像をつかみましょう。離婚の各制度は、民法に定められています(民法(e-Gov法令検索))。
協議離婚:話し合いで成立する最も多い形
協議離婚は、夫婦の話し合いだけで成立します。裁判所は関与しません。民法第763条は「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」と定めています。
たとえば、財産分与や親権について夫婦で合意ができていれば、離婚届に記入して市区町村の役所へ提出するだけです。離婚届が受理された日が、離婚の成立日になります。費用もほとんどかかりません。
ただし、ひとつ見落としがちな条件があります。離婚届には、成人2名の証人の署名が必要です。証人は夫婦以外の18歳以上であれば、親でも友人でも構いません。この署名がないと、離婚届は受理されません。協議離婚と証人の関係は、協議離婚に必要な証人とはでくわしく説明しています。
なお、口約束だけで離婚すると、あとで養育費が止まったときに動けません。取り決めは書面に残すのが安心です。離婚協議書と公正証書の使い分けは、離婚協議書と公正証書の違いを参考にしてください。
調停離婚:家庭裁判所で話し合う
話し合いがまとまらない。相手が離婚に応じない。そんなときの次の一手が、調停離婚です。
調停離婚では、家庭裁判所に「夫婦関係調整調停」を申し立てます。調停委員が間に入り、双方の言い分を聞きながら話し合いを進める仕組みです。夫婦が直接顔を合わせずに進められるのも特徴です。
調停で合意に至ると、その内容が調停調書という書類にまとまります。この調停調書は、確定判決と同じ効力を持ちます。養育費が支払われないとき、裁判を経ずに差し押さえの手続きに進める点が大きな利点です。養育費の金額は、裁判所の算定表が目安になります(養育費・婚姻費用算定表(裁判所))。
調停はあくまで話し合いの場です。強制的に離婚を成立させるものではありません。まとまらなければ、調停は不成立となり、次の段階へ移ります。調停離婚でも証人欄がどうなるか気になる方は、調停離婚と証人をご覧ください。
審判離婚・裁判離婚:話し合いで決まらないとき
調停が不成立に終わっても、離婚の道が閉ざされるわけではありません。ここから、裁判所が判断する段階に入ります。
審判離婚は、調停が成立しなかった場合に、家庭裁判所が職権で離婚を認める手続きです。たとえば、離婚自体には合意しているのに、細かい条件で折り合わないケースなどで使われます。ただし、実際に使われる例は多くありません。
裁判離婚は、最終手段です。家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、判決で離婚を成立させます。ただし、いつでも訴えられるわけではありません。民法第770条が定める「法定離婚事由」が必要です。不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明などが、これにあたります。
判決が確定すれば、相手の同意がなくても離婚が成立します。証人も不要です。一方で、時間も費用もかかり、専門的な対応が求められます。離婚訴訟の代理は弁護士の分野です。当事務所では対応できませんので、弁護士へのご相談をおすすめします。
離婚届の証人が用意できないとき
4つの種類のうち、協議離婚と、調停・裁判で成立したあとに離婚届を出すケースでは、離婚届の証人欄が関わります。とくに協議離婚では、成人2名の証人署名が必須です。
「頼める人が思い当たらない」「離婚を誰にも知られたくない」。そんな声は少なくありません。親や友人に頼みづらい事情も、人それぞれあります。
こうしたときの選択肢が、証人代行です。きずな証人代行では、離婚届の証人欄への署名代行を1通3,900円から、全国オンラインで承っています。第三者が署名するため、周囲に離婚を知られる心配もありません。
証人がいないときの具体的な対処は、離婚届の証人がいないときの対処法にまとめました。離婚後に必要な手続きの全体像は、離婚後の手続き一覧が参考になります。申し込み方法や料金は、申し込みの流れと料金プランからご確認ください。
よくある質問
Q1: 一番簡単でお金がかからない離婚はどれですか?
協議離婚です。夫婦が合意し、証人2名の署名を得た離婚届を役所へ出すだけで成立します。裁判所を使わないため、費用もほとんどかかりません。ただし、条件の取り決めは書面に残しておくと安心です。
Q2: いきなり裁判で離婚できますか?
原則できません。まず家庭裁判所の調停を申し立てる必要があります(調停前置主義)。調停が不成立になって初めて、裁判離婚に進めます。
Q3: 調停離婚や裁判離婚でも証人は必要ですか?
離婚自体は裁判所の手続きで成立するため、証人は不要です。ただし、その後に役所へ提出する報告的な離婚届では、扱いが異なる場合があります。証人が必要かどうかは、提出先の市区町村役所に確認してください。
まとめ
離婚の種類は、次の4つに整理できます。
- 協議離婚:話し合いで成立。約9割を占める。証人2名の署名が必要
- 調停離婚:家庭裁判所の調停で合意する
- 審判離婚:調停不成立のとき、裁判所が職権で判断する
- 裁判離婚:法定離婚事由をもとに、判決で成立させる
多くの人が通るのは協議離婚です。その入り口でつまずきやすいのが、離婚届の証人の署名です。頼める人がいないときは、証人代行という方法も検討してみてください。
本記事は一般的な情報の提供です。個別の法的判断や手続きについては、弁護士・行政書士・司法書士などの専門家にご相談ください。



