離婚届提出後にまずやるべきこと

離婚届が受理されると、法律上の夫婦関係は解消されます。しかし、実生活に必要な各種手続きはその後から始まります。手続きの数は多く、期限があるものもあるため、優先順位をつけて進めることが重要です。

最初の2週間で対応すべき手続き

離婚後にまず取り組むべき手続きは、生活に直結するものです。

  1. 住所変更の届出(新しい住所への転居を伴う場合)— 転居後14日以内に住民票の異動手続きが必要です
  2. 健康保険の切り替え— 配偶者の健康保険の扶養に入っていた場合、離婚の翌日から資格を失います。速やかな切り替えが必要です
  3. 子供の学校・保育園等への連絡(子供がいる場合)— 姓が変わる場合や緊急連絡先の変更が必要です

戸籍・住民票関連の手続き

戸籍の手続き

婚姻によって氏を変えた側(多くの場合は妻)は、離婚によって自動的に婚姻前の戸籍に戻ります(復籍)。ただし、以下のような場合は別途手続きが必要です。

婚姻中の氏を引き続き名乗りたい場合(戸籍法77条の2の届):

離婚の日から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する必要があります。この期限を過ぎると、旧姓に戻ることしかできなくなります。

新しい本籍地を設定したい場合(分籍・転籍):

実家の戸籍に戻ることなく、自分が筆頭者となる新しい戸籍を作ることができます(分籍届)。

住民票の手続き

住所が変わる場合は、転出届・転入届の手続きが必要です。同じ市区町村内での転居であれば転居届を提出します。

住民票の氏名変更は、戸籍の変更が反映された後に自動的に行われるわけではない場合もあります。住所地の役場に確認しておきましょう。


健康保険・年金の切り替え

健康保険の切り替え

配偶者の職場の健康保険(社会保険)の扶養に入っていた場合、離婚によってその資格を失います。次の選択肢から自分に合った保険を選んでください。

選択肢1:国民健康保険への加入

住所地の市区町村役場で手続きします。離婚(資格喪失)から14日以内に届け出が必要です。保険料は前年の所得をもとに計算されます。

選択肢2:自分が勤める職場の健康保険への加入

自分が正社員・一定要件を満たすパートタイムで働いている場合、勤務先の健康保険に加入できます。勤務先の人事・総務担当に離婚を報告し、手続きを依頼してください。

選択肢3:任意継続被保険者制度の活用

もともと自分が職場の健康保険に加入していた場合、離職後でも最大2年間、任意継続として同じ保険に加入できます(保険料は全額自己負担になります)。

国民年金・厚生年金の手続き

第3号被保険者だった場合:

配偶者の厚生年金の扶養(第3号被保険者)に入っていた方は、離婚後に第1号被保険者として国民年金に切り替える手続きが必要です。住所地の役場または年金事務所で手続きします。

年金分割の手続き:

婚姻期間中の厚生年金記録を分割できる制度(年金分割)があります。離婚後2年以内に手続きが必要です。3号分割(第3号被保険者期間が対象)は自動ではなく、申請が必要です。年金事務所に相談してください。


名義変更が必要なもの一覧

旧姓に戻る場合や住所が変わる場合、多くの書類・口座・契約の名義変更が必要になります。

公的書類・証明書

  • 運転免許証 — 住所・氏名変更。警察署・運転免許センターで手続き
  • マイナンバーカード — 住所・氏名変更。市区町村役場で手続き(券面変更)
  • パスポート — 氏名変更がある場合は新規発給が必要
  • 在留カード(外国籍の方)— 最寄りの出入国在留管理局で手続き

金融・保険

  • 銀行口座の氏名変更 — 各銀行の窓口またはアプリ・インターネットバンキングで手続き
  • クレジットカードの氏名変更 — 各カード会社に連絡
  • 生命保険・損害保険の契約者・受取人変更 — 保険会社に連絡
  • 不動産の登記 — 不動産を所有している場合、法務局で住所・氏名変更の登記が必要

公共料金・各種サービス

  • 電気・ガス・水道の名義・住所変更 — 各事業者に連絡
  • NHKの契約名義変更
  • 携帯電話の名義・住所変更 — 各携帯会社に連絡

子供がいる場合の手続き

未成年の子供がいる場合は、子供に関わる手続きが追加で発生します。

子供の氏の変更(子の氏の変更許可申立)

親権を取得した親が旧姓に戻った場合、子供の氏(姓)は自動的には変わりません。子供の氏を親権者と同じにするには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」を行い、許可を得た後に役場で入籍届を提出する必要があります。

手続きは、子供が15歳未満の場合は親権者が、15歳以上の場合は子供本人が行います。

児童手当の手続き

離婚後、児童手当の受給者が変わる場合は、現在の受給者が「受給事由消滅届」を提出し、新たな受給者(親権者)が「認定請求書」を提出する必要があります。

公的医療費助成の手続き

一人親家庭向けの公的支援として、ひとり親家庭等医療費助成制度があります。住所地の役場で申請できます。また、児童扶養手当(旧:母子・父子手当)の申請も忘れずに行いましょう。

子供の学校・保育関係

  • 学校の緊急連絡先・家族構成の変更届
  • 氏名変更がある場合の名簿更新
  • 保育園・学童保育の利用料(保育料)の再計算申請(所得が変わる場合)

離婚後の手続きチェックリスト

手続き窓口・対応先期限
住民票の転居届・転出入届市区町村役場転居後14日以内
戸籍の氏の選択(77条の2の届)市区町村役場離婚後3か月以内
健康保険の切り替え(国保加入)市区町村役場資格喪失後14日以内
国民年金への切り替え市区町村役場 / 年金事務所なるべく早く
年金分割の申請年金事務所離婚後2年以内
運転免許証の住所・氏名変更警察署・免許センターなるべく早く
マイナンバーカードの変更市区町村役場なるべく早く
銀行口座の氏名変更各銀行なるべく早く
生命保険の受取人・契約者変更各保険会社なるべく早く
子の氏の変更許可申立家庭裁判所なるべく早く
児童手当の手続き市区町村役場なるべく早く
児童扶養手当の申請市区町村役場なるべく早く
ひとり親医療費助成の申請市区町村役場なるべく早く

よくある質問

Q1:離婚後の健康保険の切り替えに期限はありますか?

はい、国民健康保険への加入は、健康保険の資格喪失日から14日以内が原則です。ただし、14日を過ぎても遡って加入できますので、まず役場の窓口に相談してください。無保険期間中に医療機関を受診した場合でも、加入手続き後に保険適用に切り替えられることがあります。

Q2:旧姓に戻した後、パスポートはすぐに使えなくなりますか?

パスポートに記載されている氏名が戸籍上の氏名と異なる場合でも、有効期限内は使用できます。ただし、新規発給を申請する際は旧姓のパスポートは使えなくなります。海外渡航の予定がある場合は、早めに新規発給の手続きをとることをお勧めします。

Q3:年金分割は必ず申請しなければなりませんか?

年金分割は、申請しなければ行われません。3号分割(第3号被保険者期間が対象)も、自動的には分割されません。離婚後2年という期限があるため、必要な方は早めに年金事務所に相談してください。分割を行うかどうかは当事者が決定できますが、年金受給額に影響するため、慎重に検討することをお勧めします。


まとめ

離婚後の手続きは多岐にわたりますが、優先順位を整理することで効率よく進められます。

  • まず健康保険の切り替えを行う(離婚翌日から資格喪失)
  • 戸籍の氏の選択(77条の2の届)は離婚後3か月以内が期限
  • 年金分割は離婚後2年以内に手続きが必要
  • 子供がいる場合は子の氏の変更・児童手当・児童扶養手当の手続きも忘れずに

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