面会交流の取り決めは何から決める?
面会交流とは、離れて暮らす親と子が、会ったり連絡を取り合ったりする交流のことです。離婚しても、親子の関係が消えるわけではありません。
まず決めておきたいのは、会う頻度・時間・場所、そして子どもの受け渡し方法です。この4つがはっきりしていれば、あとで「言った・言わない」でもめずに済みます。
たとえば「月1回、第2日曜の午前10時から午後5時まで、駅前の施設で。祖父母が送り迎えする」。ここまで具体化しておくと、双方が動きやすくなります。
面会交流は、離れて暮らす親のためだけのものではありません。子どもにとっても、両方の親とつながり続けられる大切な機会です。だからこそ、感情ではなく子どもを中心に決めていきます。
取り決めておきたい主な項目
面会交流で決めておく項目は、いくつかに整理できます。細かく決めすぎると窮屈になり、ざっくりしすぎるともめる。バランスが大切です。
主な項目は次のとおりです。
- 頻度(月に何回、長期休みはどうするか)
- 1回あたりの時間(日帰りか、宿泊を認めるか)
- 場所(自宅・公園・商業施設など)
- 受け渡しの方法(誰が、どこで、どう引き渡すか)
- 連絡方法(電話・メール・写真の共有など)
- 変更したいときの調整ルール
たとえば、子どもが小さいうちは短時間の日帰りにして、成長に合わせて宿泊を検討する。こうした見直しを想定した「柔軟条項」を入れておくと、現実に合わせやすくなります。
すべてを一度に固める必要はありません。子どもの年齢や生活の変化に応じて、見直せる余地を残しておく。それが長続きのコツです。
何より優先されるのは「子の利益」
面会交流を決めるうえで、いちばんの物差しは何でしょうか。答えは、子どもの利益です。
民法766条は、離婚のときに父母が協議で定める事項として、面会交流や養育費を挙げています。そのうえで「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と定めています(民法(e-Gov法令検索))。
これは、親の希望や都合よりも、子どもにとって何がよいかを先に考える、という意味です。たとえば、面会の日に子どもが体調を崩したなら、無理に会わせず日を改める。大人の感情を子どもにぶつけない。そうした配慮が求められます。
夫婦としては終わっても、親としての責任は続きます。取り決めの文言そのものより、子どもの気持ちを尊重する姿勢が土台になります。
決めた内容は書面に残す(離婚協議書・公正証書)
口約束だけでは、時間がたつと内容があいまいになりがちです。決めたことは、必ず書面に残しておきましょう。
方法は主に2つあります。1つは、離婚協議書に面会交流の条項を盛り込む方法。もう1つは、公正証書にする方法です。公正証書は公証役場で公証人が作成する公文書で、証拠としての力が強いのが特長です(日本公証人連合会)。
養育費もあわせて取り決めるなら、公正証書にまとめておくと安心です。協議書と公正証書の違いは、離婚協議書と公正証書の違いで整理しています。養育費の金額の目安は養育費の相場もご覧ください。
書面の原案づくりには、専門的な言い回しの判断が必要です。離婚協議書や公正証書の作成サポートは、提携する行政書士(シオン法務事務所)がご案内します。当事務所(きずな証人代行)は書類作成の代行は行いません。
約束が守られないとき(間接強制)
取り決めても、面会に応じてもらえない。そんなときはどうなるのでしょうか。
面会交流は、お金の支払いとは性質が違います。養育費のように金額が決まった金銭給付なら、公正証書などをもとに給料や預金を直接差し押さえられます(養育費が払われないときの差し押さえ)。しかし「子どもと会わせる」という約束は、性質上、直接の強制執行にはなじみません。
代わりに使われるのが「間接強制」です。取り決めに従わない場合に一定の金銭の支払いを命じ、心理的なプレッシャーで履行を促す仕組みです。ただし、取り決めの内容が日時・頻度・時間・受け渡し方法まで具体的でないと、この方法は使いにくくなります。だからこそ、最初の取り決めを細かくしておく意味があります。
実際の申し立てや履行の確保は、家庭裁判所での手続きになります。調停の申し立てや強制執行にあたる部分は、弁護士や司法書士が扱う分野です。困ったときは、早めに専門家へ相談してください。
よくある質問
Q1: 面会交流は必ず決めないといけませんか?
法律上、離婚届の提出だけなら面会交流の取り決めは条件ではありません。ただし、民法766条は協議で定めるべき事項として挙げています。子どものために、離婚のタイミングで決めておくことをおすすめします。
Q2: 相手が会わせてくれないときはどうすればいいですか?
まずは家庭裁判所に面会交流の調停を申し立てる方法があります。取り決めが公正証書などで具体的に残っていれば、間接強制を検討できる場合もあります。手続きの詳細は弁護士・司法書士にご確認ください。
Q3: 一度決めた内容は後から変えられますか?
事情が変われば見直せます。子どもの成長や生活の変化に応じて、双方の話し合いで調整するのが基本です。まとまらないときは、家庭裁判所の調停を利用できます。
まとめ
面会交流の取り決めは、次の点を押さえておくと安心です。
- 頻度・時間・場所・受け渡し・連絡方法を具体的に決める
- 何より子どもの利益を優先する(民法766条)
- 決めた内容は離婚協議書や公正証書に残す
- 約束が守られないときは間接強制という方法がある
協議離婚では、離婚届に成人2名の証人の署名も必要です。頼める人がいない、周囲に知られたくないというときは、証人代行という方法もあります。当事務所は1通3,900円から全国オンラインで対応しています。詳しくは申し込みの流れ、料金プランをご覧ください。
本記事は一般的な情報の提供です。個別の法的判断や手続きについては、弁護士・行政書士・司法書士などの専門家にご相談ください。



