離婚の3つの方法 — 協議・調停・裁判
日本の法律において、離婚の成立方法は大きく3つに分類されます。それぞれ手続きの内容、関与する機関、そして証人が必要かどうかが異なります。
協議離婚
夫婦が話し合い、双方の合意のもとで成立する離婚です。日本の離婚件数の約87〜88%がこの協議離婚です(令和4年人口動態統計)。
裁判所を介さず、役場への離婚届提出のみで成立します。手続きが比較的簡単である一方、双方の合意が必須であり、また成人2名の証人が必要という要件があります。
調停離婚
夫婦間で離婚の条件について合意できない場合に、家庭裁判所の調停委員を仲介者として話し合う手続きです。調停は非公開で行われ、調停委員が双方の意見を聞きながら合意を目指します。
調停で合意が成立すると「調停調書」が作成され、これをもとに離婚届を提出します。
裁判離婚
調停でも合意に至らない場合、家庭裁判所で離婚裁判(人事訴訟)を行います。裁判官が民法第770条に定める離婚原因を認定し、判決を下します。
確定判決に基づいて離婚届を提出することで離婚が成立します。
協議離婚と証人の関係
協議離婚では、戸籍法第74条の規定により、成人2名の証人が必要です。
戸籍法第74条:婚姻の届書には、成年の証人二人以上の署名がなければならない。(※離婚届についても同条の規定が準用されます)
この証人制度が設けられている主な理由は以下のとおりです。
証人制度の目的
双方の合意確認: 協議離婚は夫婦の話し合いのみで成立するため、第三者が合意の事実を確認する役割を証人が担います。
不正な届出の防止: 一方の配偶者が無断で離婚届を提出する「離婚届の勝手な提出」を抑止する機能があります。実際に、これを悪用した離婚届の不正提出が問題になることがあり、「離婚届の不受理申出」制度が設けられているのもこのためです。
書類の真正性担保: 公的書類としての信頼性を担保するため、第三者の関与を求めるという意味もあります。
証人になれる人の条件
証人は成人(18歳以上)であれば、親族・友人・知人・まったく面識のない第三者のいずれでも問題ありません。夫婦本人は証人になれませんが、夫婦それぞれの親族(たとえば、夫の親と妻の親が1名ずつ)が証人になることは可能です。
調停離婚に証人が不要な理由
調停離婚では、離婚届の証人欄への記入は不要です。その理由は、調停という手続き自体が証人の役割を果たすからです。
調停調書が証人に代わる
調停が成立すると、家庭裁判所の書記官が「調停調書」を作成します。調停調書には、離婚の合意内容・財産分与・養育費・親権者などの合意事項が記載されます。
この調停調書は、家庭裁判所という公的機関が関与したことの証明であり、協議離婚における証人よりも高い信頼性を持つ文書とみなされます。そのため、証人による確認は二重になることから、不要とされています。
調停離婚の届出方法
調停が成立した日から10日以内に、調停申立人が離婚届を提出する必要があります(戸籍法第77条)。
提出の際には以下が必要です。
- 離婚届(証人欄は空欄で可)
- 調停調書の謄本
離婚届の「離婚の種別」欄で「調停」を選択し、調停調書の謄本を添付します。10日の期限を過ぎると、過料(5万円以下)の対象になる場合があるため注意が必要です。
裁判離婚に証人が不要な理由
裁判離婚でも、証人は不要です。調停離婚と同様の理由に加え、裁判所の判決という公権力の行使が離婚を成立させるためです。
判決の確定が離婚成立の根拠
裁判離婚では、裁判所が民法第770条第1項に定める法定離婚原因(不貞行為・悪意の遺棄・3年以上の生死不明・回復見込みのない精神病・その他婚姻を継続し難い重大な事由)を認定した場合に、離婚判決が下されます。
判決が確定すると、離婚は法律上成立します。判決書と確定証明書が、離婚の合意や成立を証明する文書となるため、証人による確認は必要ありません。
裁判離婚の届出方法
判決確定後10日以内に、訴えを提起した方(原告)が離婚届を提出する必要があります。
提出の際には以下が必要です。
- 離婚届(証人欄は空欄で可)
- 判決書の謄本
- 判決確定証明書
調停離婚から協議離婚に切り替える場合の注意点
調停の申立てをした後、最終的に夫婦が話し合いで合意に至った場合、調停を取り下げて協議離婚として届け出ることも可能です。この場合は、改めて証人2名が必要になります。
調停を取り下げた場合の手続き
- 調停申立人が家庭裁判所に取下書を提出
- 夫婦双方が署名し、証人2名の署名を揃えた離婚届を作成
- 役場に協議離婚として離婚届を提出
調停を取り下げる前に証人の手配を済ませておくと、スムーズに手続きを進められます。
調停離婚のまま進める場合との比較
| 項目 | 協議離婚 | 調停離婚 |
|---|---|---|
| 証人 | 必要(2名) | 不要 |
| 裁判所の関与 | なし | あり |
| 手続き期間 | 短い(書類が揃えばすぐ) | 数か月〜1年程度 |
| 費用 | 低い(証人代行等の費用のみ) | 申立費用・弁護士費用等がかかる場合あり |
| 合意内容の効力 | 離婚協議書が必要(強制執行力なし) | 調停調書は強制執行力あり |
調停調書には確定判決と同じ効力があり(家事事件手続法第268条)、養育費や慰謝料について合意した場合、相手方が支払いを怠った際に強制執行が可能です。この点では、調停離婚の方が離婚後のトラブル防止に有利な面もあります。
よくある質問
Q1:調停を申し立てたが、途中で相手が証人になれますか?
相手方が証人になることはできません。離婚届の証人は、離婚する夫婦本人以外の成人であることが条件です。調停を取り下げて協議離婚にする場合は、夫婦以外の第三者2名に証人をお願いする必要があります。
Q2:調停離婚の10日以内という期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
調停成立後10日を超えても離婚届の提出は可能ですが、戸籍法第135条の規定により5万円以下の過料が科される場合があります。期限を過ぎた場合も、すみやかに届出を行ってください。届出の際に遅延理由を説明する書類の提出を求められることがあります。
Q3:協議離婚で証人が見つからない場合、調停に切り替えた方がいいですか?
証人が見つからないという理由だけで調停に切り替えることは、手続きの手間と費用の観点からお勧めしません。証人代行サービスを利用すれば、協議離婚のまま証人の問題を解決できます。調停は、離婚条件(財産分与・親権・養育費等)について夫婦間で合意できない場合に選択する手続きです。
まとめ
離婚の方法と証人の関係についてまとめます。
- 協議離婚には成人2名の証人が必要(戸籍法第74条)
- 調停離婚には証人不要 — 調停調書が証人の代わりになる
- 裁判離婚には証人不要 — 確定判決・判決書が離婚の根拠になる
- 調停を取り下げて協議離婚に切り替える場合は、改めて証人2名が必要
- 証人が見つからないことを理由に調停に切り替える必要はない
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